梅雨がやってくるぞお!!なんて、外を眺めながらふとそんなことを思いました。
雨が降る。つまり、新海誠監督の作品「言の葉の庭」を読みたくなる、観たくなる時期がやってきましたね。
え、この作品って2013年なの……11年前!? マジかよ。そんなに経っていたか。ということは私自身、11回梅雨の季節のたびに小説を読んでいたことになりますね。変わった二人の恋愛物語をぜひ紹介させてください。
秋月孝雄は雨の日に新宿御苑でユキノという謎めいた女性に会う。彼女のミステリアスな雰囲気に思わず惹かれていく。雨が降ったらまた会える。そう思うと自分の足が新宿御苑に向かっているのがわかった。
美しい物語なんですよねえ。なんといいますか。映画版だと水滴の映像美にはっと息をのみますし、小説版だと孝雄の純情な気持ち、ユキノの社会人らしい悩み。雨を待つ二人の心境描写。もう、二人の会話に毎回キュンキュンしちゃうんですよねえ。
第二話で、ユキノが「なるかみの すこしとよみて さしくもり。 あめもふらんか きみをとどめん」
意味 雷が少し響いて空が曇り、雨も降らないだろうか。あなたをここにとどめたいから。
って口にするんですけど、その瞬間に俺は雷に打たれました。もう恋でしたね。万葉集の短歌らしいのですが、私が孝雄の代わりに恋してしましました。ユキノに。
雨の東屋で二人は少しずつ距離をつめていき、最後に……というのがこの物語。
小説版では孝雄のお兄さんや、バイト先の先輩の話など色々出てきます。そこでもキュンキュンしてしまうのでそちらも堪能してしまいます。30にもなるオッサンがきゅきゅんとかキモイですよね。ごめんなさい。けど、映画も素晴らしいですが、ぜひ小説版も読んでいただきたい!
誰もが秋月孝雄をいつの間にか応援しているはずです。そしてユキノとどうなるの!?と思いながら小説のページをめくっているはずです。
二人の恋物語をぜひ楽しんでください。
それでは雨が降ったらまた会いましょう……!